理工学研究科

佐賀大学 大学院理工学研究科 連携大学院の紹介

理工学研究科

連携大学院

国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)は、独立行政法人として設置された経済産業省所管の我が国最大級の公的研究機関です。本学では、連携大学院制度に基づいて客員教員を招聘しており、本学の大学院生は指導を仰いだり、産総研の設備を利用して研究を推進したりすることができます。

客員教員の紹介

現在、産総研九州センター(鳥栖)から、以下の先生方を客員教員として招聘しています。九州センターでは、セラミックス系発光材料を用いた新しい静電気可視化技術の開発、および先進的なバイオ物質の簡易分析チップ・システムの開発を目指して研究を行っています。

菊永 和也 准教授  (詳細

空気中において発光する新奇な機能性材料を用いて、電気と光を変換する新しいセンシングする技術の開発を行っています。そこでは電気と光の変換機構に関する研究や、静電気の可視化、プラズマ・放電の評価技術に関する研究を行っています。

菊永

岩崎 渉 准教授  (詳細

紙を基材とした化学分析技術や電気化学的手法を用いて、どこでも、だれでも、簡単に実施可能な化学分析システムの開発を行っています。分析手法の開発からセンサ素子、センサシステムの開発までを一貫して行い、独自の簡易分析技術の構築を行っています。

菊永

集中講義

客員教員の講義は集中講義で実施し、先端技術がどのように産業技術に応用されているかについて学びます。内容としては、ナノサイズ、ナノ領域の物質・材料、反応、物性、デバイスを題材として、その特性を物理的・化学的・量子論的視点から学び、その性質がどのような技術、製品に応用されているかについて概観します。特に微小空間での化学反応を効率化したマイクロ流体デバイスと蛍光材料について産総研での研究例を中心に理解してもらいます。また最終日に産総研九州センターの見学会を行います。これにより先端技術と応用を結び付けて学び、新技術の応用先や課題の解決方法などの発想力を高めることを目的とします。

○ナノ物質技術特論(集中講義(前学期)) シラバス


技術研修・リサーチアシスタント制度

産業技術総合研究所(産総研)では、【技術研修】や【リサーチアシスタント制度】を利用して、産業技術総合研究所にて技術の習得や研究を行う制度があります。

○技術研修 詳細

大学の学生を産総研に一定期間受け入れ、産総研の研究者の指導の下に技術を習得して頂く制度です。インターンシップから研究指導まで幅広く対応しています。産総研にある最先端の研究施設を利用したり、最先端の実験・分析技術などを習得したりすることができます。

○リサーチアシスタント制度 詳細

優れた研究開発能力を持つ大学院生を産総研リサーチアシスタント(契約職員)として雇用します。雇用された大学院生は、産総研が実施している社会ニーズの高い研究開発プロジェクトに参画することができます。


【参考】連合大学院発足の経緯と趣旨

地方の新制大学が連合大学院方式、総合大学院方式などのアイディアを実現すべく先陣争いを繰り広げる中、本学では平成3年4月に大学院工学系研究科が設置され博士後期課程が発足しました。新しい連携のあり方として他省庁の研究機関と連携する連携大学院方式はこのような気運の下、平成7年4月に通商産業省工業技術院九州工業技術研究所(当時、九工研)との連携により全国で4番目の早さで発足しました。「プロジェクト研究」チームを結成し、共同で研究に当たり、それら研究成果は博士後期課程の講義の1つとして「特定プロジェクトセミナー」で公開するといった、他大学とは異なる独自の方式は文科省に高く評価されました。本学履修案内にも「複数の教員グループが一定期間、専攻や大講座の枠を超えて組織して研究に従事する」ことが明記されました。本学で研究実績のある機能材料分野の研究スタッフに加え、構造用材料の分野に造詣の深い九工研の研究陣による、本学工学系大学院の材料研究の一段の拡充を図ることが発足の趣旨であり、また本学と基礎的学術色彩の濃い研究と応用的研究の指向性が強い九工研の研究が有機的に融合され、特徴ある研究が行われることが期待されました。当時、4名の併任教授と2名の併任助教授が博士後期課程の研究スタッフとして加わることで開始し、「先進機能材料の開発」と銘打った特定プロジェクト研究チームを元に、「セラミックスおよびセラミックス系複合構造材料」及び「ホストーゲスト化合物の機能制御」の研究チームが組織されました。その後、両組織の改組に伴い、本学は大学院理工学研究科となり、九工研は国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)となり、連携大学院もその形を少しずつ変えて運営されています。